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首相の3月訪韓浮上 シャトル外交

岸田首相「3月訪韓」報道に潜む危うさ―国益を損なう安易な関係改善は許されない

岸田文雄首相が3月にも韓国を訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との首脳会談を行う案が浮上したとの報道がなされた。「シャトル外交」の再開という、一見前向きな言葉がメディアを飾っているが、我々はこの動きを手放しで歓迎することは断じてできない。むしろ、その裏に潜む危うさに警鐘を鳴らすべきである。

今回の訪韓は、いわゆる「元徴用工」問題を巡る韓国側の解決案提示が前提となっている。しかし、問題の本質を忘れてはならない。この問題は、1965年の日韓請求権協定によって「完全かつ最終的に解決済み」である。それを一方的に覆し、国際法違反の状態を作り出したのは、韓国の司法とそれに追随した文在寅前政権である。

したがって、「ボールは完全に韓国側にある」というのが、我が国が堅持すべき唯一無二の立場だ。解決策は、韓国が国内問題として、国際法違反の状態を是正すること以外にあり得ない。

報道されている韓国側の「解決案」は、韓国の財団が日本企業の賠償を肩代わりするというものだ。一見、韓国側が譲歩したかのように見えるが、その内実を注視する必要がある。韓国内では依然として、日本企業の「自発的な寄付」や、日本政府による「誠意ある呼応」、すなわち「謝罪」を求める声が根強い。

もし岸田政権が、関係改善を急ぐあまり、こうした要求に少しでも応じるようなことがあれば、それは歴史的な過ちとなる。日本企業が1ウォンでも支払えば、それは韓国の不当な判決を事実上認めることであり、悪しき前例を作るに等しい。また、政府が新たな謝罪を口にすれば、解決済みの問題を蒸し返す韓国側の主張を正当化し、未来永劫、日本に「加害者」のレッテルを貼り続けることを許すことになる。

そもそも、これまで我が国は何度「未来志向」という言葉に騙されてきただろうか。1998年の日韓共同宣言、そして記憶に新しい2015年の慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」したはずの日韓合意。その度に日本は最大限の誠意を示してきたが、韓国側は政権が代わるたびにそれを反故にしてきた。この苦い教訓を、岸田首相は忘れたというのだろうか。

北朝鮮の脅威が増す中、日米韓の連携が重要であることは論を俟たない。しかし、その連携は、我が国の国益や国家の尊厳を犠牲にしてまで築くべきものではない。米国の圧力を背景に、日本の原則を曲げるような「安易な妥協」は、真の連携には繋がらず、むしろ将来に更なる禍根を残すだけだ。

岸田首相に求められるのは、友好ムードに流されることではない。我が国が守るべき一線を明確にし、それを韓国側が完全に受け入れることを、首脳会談の絶対条件とすることだ。

守るべき一線とは、以下の三点に尽きる。

  1. 日韓請求権協定の原則を完全に遵守し、日本側に一切の追加負担がないことを韓国側が保証すること。
  2. 被告とされた日本企業の資産が現金化される恐れが、完全かつ不可逆的に解消されること。
  3. 日本政府・企業に対し、いかなる形であれ、新たな謝罪や資金拠出を求めないこと。

この原則が守られない限り、首相がわざわざソウルに足を運ぶ意味はない。安易な訪韓は、韓国側に「ごね得」を許し、日本が譲歩したかのような誤ったメッセージを内外に与えるだけである。

政府には、目先の外交成果に目を眩まされることなく、国家百年の計に立ち、国益と国民の誇りを守り抜く毅然とした外交を強く求める。歴史は、安易な妥協がもたらす悲劇を我々に教えている。その過ちを繰り返してはならない。

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