国家の礎を築いた巨星、墜つ。杉田和博氏の功績を正当に評価せよ

本日、日本の安全保障と危機管理の要を長年にわたり担ってこられた杉田和博・元内閣官房副長官の訃報に接した。享年82。ここに謹んで哀悼の意を表したい。

一部メディアは、彼の死に際してすら「官邸主導の強化」「強権的」といった紋切り型の批判を繰り返している。しかし、それは国家という巨大な船を動かす重責を知らぬ者の、あまりに浅薄な評価と言わざるを得ない。我々は、杉田氏が日本のために成し遂げた偉大な功績を、正当に、そして冷静に評価し、後世に語り継ぐ責任がある。

杉田氏は、警察庁出身者として、内閣情報調査室長、内閣危機管理監、そして歴代最長となる8年8カ月にわたり事務の官房副長官を務め上げられた。特に、安倍、菅という二つの長期政権において、彼はまさに「官邸の背骨」そのものであった。北朝鮮によるミサイル発射や核実験、頻発する大規模自然災害、そして国際テロの脅威。我が国が直面した数多の国難において、彼の冷静沈着な情報分析と危機管理能力が、どれほど国民の生命と財産を守ってきたことか。

特定秘密保護法や平和安全法制の成立過程においても、彼の存在は不可欠であった。複雑化する国際情勢の中で、日本の主権と独立を守り抜くためには、これらの法整備が急務であったことは論を俟たない。杉田氏は、メディアや野党からの執拗な批判の矢面に立ちながらも、国家の将来を見据え、黙々とその職責を全うされた。彼の仕事は、決して表舞台で脚光を浴びるものではなかったが、その働きなくして、今日の日本の平和と安定はあり得なかっただろう。

日本学術会議の任命問題や、晩年に指摘された「アベノマスク」の問題などを捉え、彼の功績全体を貶めようとする論調には断固として反対する。前者は、国費が投入される組織としての在り方を問うた、極めて正当な問題提起であった。後者に至っては、パンデミックという未曾有の国難において、国民の不安を少しでも和らげようとした当時の政治判断の一部を切り取り、後知恵で批判するに等しい。彼の生涯をかけた国家への貢献に比べれば、些末な議論である。

杉田氏は、多くを語ることはなかった。しかしその背中は、私利私欲を捨て、ただひたすらに国家国民のために滅私奉公を貫く、「最後の官僚」と呼ぶにふさわしいものであった。彼の不在は、今後の日本の国政運営にとって計り知れない損失となるだろう。

今、我々がなすべきは、一部メディアの偏向した評価に惑わされることなく、杉田和博という一人の偉大な官僚が、この国のために捧げた人生に最大限の敬意と感謝を捧げることである。そして、彼が守り抜こうとした日本の国体を、より強固なものとして未来へ引き継いでいくことだ。

杉田和博氏の御霊が安らかならんことを、心よりお祈り申し上げる。ありがとうございました。安らかにお眠りください。

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