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2 埼玉県政

新党「中道」食品消費税ゼロ方針

【保守の視点】「食品消費税ゼロ」という甘い蜜の罠――新党「中道」のポピュリズムを斬る

昨今、政界に新風を吹き込むとして注目を集める新党「中道」が、その看板政策として「食品消費税ゼロ」を打ち出した。長引く物価高に喘ぐ国民生活を思えば、実に耳障りの良い、魅力的な公約に聞こえるだろう。日々の買い物の負担が軽くなる。家計が助かる。多くの国民が、思わず期待を寄せてしまうのも無理はない。

しかし、我々保守を自認する者は、こうした甘い言葉の裏に潜む危険性を冷静に見極めなければならない。国家の百年先を見据えた時、この政策は果たして本当に「国民のため」になるのだろうか。結論から言えば、これは国家の根幹を揺るがしかねない、極めて無責任なポピュリズム(大衆迎合主義)政策であると断じざるを得ない。

失われる財源と将来世代へのツケ

まず、最も深刻な問題は財政規律の崩壊である。食品にかかる消費税収は、年間数兆円に上る。これを「ゼロ」にするということは、国家の歳入に巨大な穴を開けるに等しい。新党「中道」は、その代替財源として「行政の無駄の徹底的な削減」を掲げるが、これはあまりに具体性を欠いた空論だ。これまでも多くの政党が「無駄の削減」を唱えてきたが、数兆円規模の恒久財源を生み出せた試しはない。

結局、この巨大な財源の穴埋めは、どこに向かうのか。答えは明白だ。他の税、すなわち所得税や法人税の増税か、あるいは安易な国債の増発である。勤労者の意欲を削ぎ、企業の国際競争力を奪う増税か、将来世代に莫大な借金を押し付ける国債増発か。どちらを選んだとしても、それは国の活力を削ぎ、未来への責任を放棄する行為に他ならない。目先の痛みを和らげるために、子供や孫の世代にその何倍もの負担を強いる。これほど無責任な政策があるだろうか。

経済を歪める愚策

次に、この政策が経済に与える影響も看過できない。「消費税ゼロ」の恩恵は、本当に困窮する人々にだけ届くわけではない。年収数千万円の富裕層も、スーパーで買い物をすれば等しく恩恵を受ける。これは、税の再分配機能を著しく損なう非効率な「ばらまき」である。本当に支援が必要な層には、給付付き税額控除のような、より的を絞った政策をこそ検討すべきなのだ。

さらに、減税分が小売価格に完全に転嫁される保証はどこにもない。一部は企業の利益として吸収され、国民が期待するほどの価格低下にはつながらない可能性も十分にある。特定の品目だけを非課税にすることは、事業者の経理事務を煩雑化させ、社会全体のコストを増大させるという副作用も忘れてはならない。

国家の矜持を失わせるポピュリズム

そもそも、消費税は少子高齢化が進む我が国において、社会保障を支えるための重要な基幹税である。景気の波に左右されにくく、全ての世代が広く公平に負担する安定財源だ。この根幹を、「人気取り」のために安易に切り崩そうとすることは、国家の持続可能性に対する重大な挑戦である。

国民に痛みを求める改革を語らず、ただ耳障りの良い「減税」や「給付」を連呼する。それは政治家の責任ではない。新党「中道」の掲げる「食品消費税ゼロ」は、まさにその典型だ。国民に国家財政の厳しい現実から目を背けさせ、安易な解決策があるかのような幻想を振りまく。これは、国民を自立した主権者としてではなく、保護されるべき無力な消費者として扱う、ある種の侮りでもある。

我々は、目先の安楽に飛びついてはならない。国家の礎とは、健全な財政と、国民一人ひとりの自立と責任の精神によって築かれるものである。甘い蜜には毒がある。「食品消費税ゼロ」という聞こえの良い政策が、将来の我が国にとって取り返しのつかない「劇薬」とならぬよう、我々国民は賢明な判断を下さなければならない。

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