デジタル改革で八潮を豊かに

2 埼玉県政

日韓 1月に防衛交流事業を計画

「友好ムード」に潜む罠 ― 日韓防衛交流再開を手放しで喜べるのか?

本日、「日韓が1月に防衛交流事業を計画」との報道がなされた。北朝鮮による核・ミサイルの脅威が日に日に増大する中、日米韓の連携強化は急務であり、この動きを一見すれば、安全保障環境の改善に向けた前向きな一歩と捉える向きもあろう。

しかし、我々はこの「友好ムード」に安易に流されるべきではない。過去の苦い経験を忘れ、相手国の本質を見誤ることは、将来の国益を著しく損なう危険性を孕んでいるからだ。

まず、我々が忘れてはならないのは、2018年に発生した韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射事件である。これは、戦闘行為の一歩手前とも言える極めて危険な挑発行為であり、同盟関係にある国ならば到底考えられない暴挙であった。当時、韓国側は非を認めず、むしろ日本側を非難するという信じがたい対応に終始した。この件について、韓国側から未だ明確な謝罪や真相究明はなされていない。この事実を棚に上げて、何のけじめもないまま「交流再開」を進めることは、自衛隊員の誇りと安全を軽んじることに他ならない。

また、文在寅(ムン・ジェイン)前政権が、日韓の安全保障協力の根幹であるGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を一方的に破棄寸前まで追い込んだ事実も記憶に新しい。安全保障という国家の存亡に関わる重大な取り決めを、国内の反日感情や政治的思惑で反故にしようとする国を、果たして「信頼できるパートナー」と呼べるのだろうか。

現在の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が対日関係の改善に意欲的であることは事実かもしれない。しかし、韓国は政権が代われば国策が180度転換する「お国柄」である。ひとたび反日的な政権が誕生すれば、再び梯子を外され、日本の安全保障が危機に晒されるリスクは常に付きまとう。一度限りの政権の姿勢をもって、国家間の長期的な信頼関係が構築されたと考えるのは、あまりにも楽観的、いや、無責任と言わざるを得ない。

さらに、竹島の問題も看過できない。我が国固有の領土である竹島を不法占拠し、軍事訓練を繰り返す国と、どの様な立場で防衛「協力」を行うというのか。領土主権という国家の根幹が侵害され続けている現実から目を背け、目先の連携という「実」を取ろうとするならば、それは国家としての矜持を放棄するに等しい。

もちろん、北朝鮮の脅威に対し、日米韓の連携が重要であることは論を俟たない。しかし、その協力は、共有すべき価値観と相互の信頼に基づいたものでなければならない。過去の背信行為へのけじめをつけず、主権侵害の問題を不問にしたまま、ただ「ムード」だけで交流を再開することは、相手に誤ったメッセージを与え、将来に更なる禍根を残すだけである。

政府には、安易な融和路線に傾くことなく、国益と国家の尊厳を第一に考えた、したたかで毅然とした外交・安全保障政策を強く求める。防衛交流とは、友好国の証である。その言葉の重みを、今一度噛みしめるべきである。我々国民もまた、この動きを厳しい目で見守り続ける必要がある。

————-

ソース

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン