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首相がベトナム・豪州訪問へ 調整

岸田首相のベトナム・豪州訪問 ― 問われるは「自由で開かれたインド太平洋」の具体化と国益の実現だ

岸田文雄首相が10月中旬以降にベトナムとオーストラリアを訪問する方向で調整に入ったとの報道があった。外交関係樹立50周年という節目を迎えるベトナム、そして「特別な戦略的パートナー」であるオーストラリアとの関係強化は、我が国の国益とインド太平洋地域の安定にとって極めて重要である。我々はこの外交努力を注視しつつも、単なる友好親善に終わらせることなく、具体的な成果に繋げる「行動する外交」となるか、その真価を厳しく問わねばならない。

今回の歴訪の背景には、言うまでもなく覇権主義的な動きを隠さない中国の存在がある。東シナ海、南シナ海、そして南太平洋に至るまで、力による一方的な現状変更を試みる中国に対し、国際社会は如何にして法の支配に基づく秩序を維持するのか。その試金石となるのが、安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想である。岸田首相の今回の訪問は、この構想をスローガンから具体的な行動計画へと深化させる絶好の機会となろう。

対中戦略の要諦、ベトナムとの連携強化

まず、ベトナム訪問の意義は大きい。ベトナムは南シナ海において中国と直接的に対峙する国家であり、歴史的にも中国の圧力を受け続けてきた。その地政学的な重要性は計り知れない。

今回の訪問で焦点となる「包括的戦略的パートナーシップ」への格上げは、単なる外交上の美辞麗句であってはならない。防衛装備・技術移転の推進、海上保安機関同士の連携強化、共同訓練の具体化など、目に見える形で安全保障協力を前進させることが不可欠だ。中国の威圧に屈しないという日越共通の意思を、具体的な行動で示す必要がある。

また、経済安全保障の観点からもベトナムは重要なパートナーだ。特定国に依存するサプライチェーンの脆弱性が露呈した今、生産拠点の多様化は国家の死活問題である。日系企業のベトナム進出を後押しし、強靱なサプライチェーンを構築することは、中国への過度な経済的依存から脱却するための重要な一歩となる。

「準同盟」の深化へ、オーストラリアとの安保協力

一方、オーストラリアは米国に次ぐ我が国の重要な同盟国であり、QUADのパートナーとしてインド太平洋の平和と安定に共にコミットする同志国だ。アルバニージー首相との会談では、昨年10月に署名された新たな日豪安保協力共同宣言の着実な履行が問われる。

特に、自衛隊と豪州軍の相互運用性を高める「円滑化協定(RAA)」の具体的な進展を確認することは極めて重要だ。有事を想定した共同訓練をより高度化・常態化させ、日米豪の連携を盤石なものとしなければならない。これは、台湾有事をも念頭に置いた、中国に対する強力な抑止メッセージとなる。

さらに、エネルギー・資源分野での協力強化も見逃せない。液化天然ガス(LNG)や石炭に加え、重要鉱物の安定供給確保は、我が国の経済活動の生命線である。価値観を共有するオーストラリアとの連携は、資源を外交カードとして利用する権威主義国家への対抗策としても有効に機能するはずだ。

岸田外交に求められる「覚悟」と「具体性」

岸田首相の外交姿勢は、これまで「丁寧で抑制的」と評されてきた。しかし、国際情勢が緊迫の度を増す中、求められるのは「丁寧さ」だけではない。国益を守るためには、時に毅然とした態度で主張すべきを主張し、中国を名指ししてその行動を批判する「覚悟」が不可欠である。

今回の歴訪が、内閣支持率浮揚のための単なる外交パフォーマンスに終わってはならない。我々国民が求めているのは、「連携を確認した」「協力を深化させることで一致した」といった空虚な言葉の羅列ではなく、国家の安全と繁栄に直結する具体的な成果である。

岸田首相には、安倍元首相が築き上げた外交的資産を継承・発展させ、日本の国益を断固として守り抜くという強い意志を内外に示していただきたい。我々は今回の訪問が、インド太平洋地域における我が国のプレゼンスを確固たるものにし、中国の膨張主義に楔を打ち込む、歴史的な一歩となることを期待し、その成果を厳しく見守っていく所存である。

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